楽曲紹介:コブクロ「同じ窓から見てた空」
ryoです。
今回は私のお気に入りの楽曲を紹介します。
今回はコブクロの「同じ窓から見てた空」です。
コブクロ史上最も長い曲
この曲はコブクロの5thアルバム『NAMELESS WORLD』の最後のトラックとして収録されています。
このアルバムには皆さんご存知「桜」や「ここにしか咲かない花」が収録されています。
「同じ窓から見てた空」を聞くとまず初めに目に留まるのがその曲の長さです。
その長さは8:45というコブクロ史上最も長い曲となっています。
時間を見ただけで胃もたれしそうな曲ですが
好きになると何度聞いても飽きない名曲となっています。
「同窓会」がテーマとなっている泥臭い男の曲
この曲の凄いところは
- 小渕さんによって丁寧に構成された美しい歌詞
- 黒田さんのどこまでも男らしい歌声
です。
この曲の主人公は、青春時代を未だに引きずっている男の歌です。
その歌を黒田さんは男らしく魂で歌っているところがまたたまりません。
「男らしい」とか言うと、今の時代叩かれそうな気がしますが、ここでいう「男」とは、
「どこまでも力強く生きていきたいと願う不器用な男」です。
賑やかに幕を閉じた飲み会のあと、忍び込んだグランド。輪になって腰を下ろした、おきまりの顔ぶれ。コブクロ「同じ窓から見てた空」
曲中の登場人物はみんな同級生同士で、飲み会の後の真夜中に缶ビールと花火を持ち寄ってグラウンドに集まりました。
「忍び込んだグラウンド」といっているので、ひょっとしたら登場人物が昔通っていた「学校」のグラウンドかもしれません。
彼らはグラウンドに座ってオチのない昔話に興じます。
主人公は思い出話に浸りながら、青春時代のバイタリティある生活を回顧します。
幾つかの恋もした。それと同じだけのサヨナラも。今、遠く斜向かい、膝を抱え座ってる、たしか、、君にもね。手渡したオレンジ色の花火の光、君の薬指にキラリ。細々と、燻っていた恋の火も、バケツの中でシュッと消えた。コブクロ「同じ窓から見てた空」
このパートでは「主人公」と昔好きだった「君」の2人の話になります。
ここの詞が本当に秀逸なんですよ。読むたびに脳内再生されて鳥肌が立ちます。
切ないですよね。同じ思いをした人はいっぱいいると思います。
この切ない思いを花火の火のように消えると表現するところに私はしびれます。
花火に少し火が残っている状態で水の入ったバケツに捨てると「シュッ」って音がなるんですよ。
長く抱いていた消えかけの恋心で指輪1つであっという間に消えてしまいます。
ここで私は歌詞中の「遠く斜向かい」に疑問を抱きました。
飲み会終わりの真夜中ですから、そこまで人数がいるとも思えません。
となると歌詞中の「遠く」というフレーズはきっと物理的な距離ではなく、「君」との心の距離を表しているのではないかと思います。
主人公は実らなかった恋をそのままに大人になって再会したわけですから、主人公は「君」との間に勝手に距離があると思っているのでは?と私は解釈します。
色んな事があったよね。主役の居ない映画のような日々さ。コブクロ「同じ窓から見てた空」
「主役のいない映画のような日々さ」というフレーズも素晴らしいです。
現実ではフィクションのような格好いいヒーローなんて都合よくいません。
みんな不器用で格好悪い人たちです。
青春時代は失敗したらみんなで必死で謝って、結局ダメでも1からやり直す。
ご都合主義なんて起こらない現実を「主役のいない映画のような日々」と表現しています。
芝生の熱で温もった缶ビールを、一気にあけながらお前、こぼれそうな星空を見上げたまま、涙を拭いていた。お前とは、今日まで秘密無く、何だって話してきたけれど、どうしてか、どうしてか、何も聴けなかった。コブクロ「同じ窓から見てた空」
ここで歌は「主人公」と「お前」の話に移ります。
「お前」はカッコ悪いけど一生懸命生きている親友です。
大人になると気遣いを覚えます。それは必要なことですが、同時に悲しいことでもあります。
「お前」は涙を流しますが、大人になった「主人公」はその理由も何も聞けません。
聞かない理由は大人になって気を遣っただけではありません。
それはその後に歌われます。
男には色々あるんだ、どこまでも孤独だから。コブクロ「同じ窓から見てた空」
ここでもうぐっと心を掴まれます。
正直言って理由になってません。
しかし、それでいいんですよ。
男はつらいというフレーズは男から共感してもらえばいい。
それだけでまた次へ進むことが出来る。
世の男性はこの歌詞で首を縦に降ってくれそうですよね。
Feel easy just seeing you sometimes.(時々会えれば それでいいんだ)Feel comfy just being with you some time.(一緒にいるだけで 解り合えるんだ)Only a few minutes are enough to(ほんの僅かな時間で僕達は)bring us back those good old days.(いつだってあの頃に 戻れるのだから)コブクロ「同じ窓から見てた空」
この曲のサビはどこだと思うと私の友人に聞いてみると、
サビは最後の英語の部分と答えてくれました。
なかなか粋な答えで、私もそれが正解だと思いました。
サビでは小渕さんと黒田さんの英語での掛け合いが始まるのですが、
私は黒田さんの叫びは「主人公」の泣き叫びではないかと考えています。
久しぶりに同級生と会って騒いで、ひとつの恋が終わり、親友の辛い思いを知り、
大人になってぽっかり空いた何かを埋めるために泣いている。
そのように私は解釈しました。
明日、仕事だからと、一人、また一人と芝を払い立ち上がる、夜明けの雲の隙間に張り付いた、朝星を見上げながら。この街を離れてから今日まで、心の何処かに空いていた穴を、すっかり埋められたよ。またいつか帰るよ。元気で…元気で…コブクロ「同じ窓から見てた空」
朝まで飲み明かし、そんな非日常も終わって主人公はいつもの日常に戻りました。
本当に素晴らしい曲です。
小渕さんの繊細なタッチで紡がれた歌詞に黒田さんの魂の歌声、全てが見事なバランスを保っています。
きっとこの曲はまた何年か経つと、今では味わえない新たな良さがまた出る気がします。
皆さんも聴いたことがないという方は一度でいいのでぜひ聴いてみてください。