「Billboard JAPAN Hot 100」を深く分析する -ダウンロード編-
今回はBillboard JAPAN Hot 100(BJH)における「ダウンロード回数」について深く分析していこうと思います。
ダウンロード販売とは
ダウンロード販売とは、その名の通りインターネットを通じて楽曲を購入してダウンロードする販売形態であり、CD販売と違い
- 1曲単位で購入できる
- データを購入するため実体がない
- ネット環境があればいつでも買えるしすぐに聴ける
というものがあります。
1曲単位で購入できるため、例えばシングルの表題曲のみを購入してB面の楽曲を購入しないという選択もできます。それがCDだと問答無用でB面の楽曲も付いてきますし、価格もそれ込みの設定です。
また、データを販売することになるため、レコード会社としてはCD製作にかかるコスト(カッティング、プレス、配送、在庫)を全て排除することができます。
また消費者からするとCDを購入することで棚がかさばるという心配がなくなります。
さらにインターネット環境があれば、わざわざCDショップへ行きCDを購入するような手間も要らず、自宅でも音源を購入してすぐに楽曲を聴くことができます。
欠点としては、音源データなので意図せずそのデータが消えてしまうのではないかという懸念が付きまといます。
この感覚はFAXやCDというアナログ媒体を愛する日本人特有の考え方かもしれません。
またジャケットはアートワークという形でダウンロード販売にもありますが、歌詞カードやCDラベル、初回限定特典などのCD特有のおまけはダウンロード販売には付きません。
コアなリスナーからすると、配信限定発売は物足りないと感じることが多々あると思います。
しかし、生産者側としてのメリットの大きさを利用してほとんどのシングルリリースは配信限定であるアーティストや、配信で先行リリースしてのちにCDを販売するアーティストも多いです。
ダウンロード販売数とBJH
ダウンロード販売数もCDセールス同様、一度購入すればもう終わりです。
チャートはその購入回数が反映されるだけでその楽曲の再生回数までは反映されません。
しかし、ダウンロードはその購入コストの低さからライトなリスナーからも購入が期待できるため、CDセールスよりも一過性の性質は弱いといえます。
そのため、ダウンロードチャートでのチャート降下も比較的緩やかです。
Hot100の上位に居続けている楽曲では、CDセールスはチャート圏外なのにダウンロード数ではいまだに購入者がいるということも結構あります。
そういった意味ではダウンロードは継続性の面も持ち合わせていると言えます。
しかし、CDセールスと同様、BJHでのロングヒットを望むのなら次回から解説する継続性の性質を持ったデータでのポイント獲得が必要不可欠となります。
次回は継続性の性質を持つストリーミング配信について解説します。