最も多くストリーミングチャートに登場している楽曲は!?
ryoです。
Billboard JAPANのストリーミングチャート(Streaming Songs Chart)にはチャートイン数という項目があります。
チャートイン数とは、その楽曲が何回チャートに登場したかという数字です。
ストリーミングチャートは2017年10月9日付チャートから始まっており、最新の2019年4月15日付チャートで80週を迎え、チャートイン楽曲総数は実に771曲となっております。
では、その771の楽曲の中で80週全てのチャートに登場している楽曲は何曲あるのでしょうか?
詳しい解説を踏まえてご紹介します。
順位ポイント
本記事では順位ポイントという、順位に応じたポイントを使用します。
- 換算方法 101 - 順位 = 順位ポイント
例:1位の楽曲 → 100ポイント50位の楽曲 → 51ポイント100位の楽曲 → 1ポイント
DAOKO × 米津玄師「打上花火」
1つ目はDAOKO × 米津玄師の「打上花火」です。
本楽曲は映画『打ち上げ花火下から見るか横から見るか』の主題歌であり、Hot100では2017/8/21付チャートの時点で初登場3位を獲得しています。
ストリーミングチャートで最初に首位を獲得したのも「打上花火」で、全80回のうち首位獲得回数は14回となっており、歴代2位の成績となっています(1位は19回でDA PUMPの「U.S.A.」、あいみょん 「マリーゴールド」と2位タイ)。
さらに「打上花火」は全チャート登場曲でありながら、最低位が37位と40位を下回ったことが一度もないという驚異的な記録も残しています。
首位を14回獲得し、さらに全チャートに登場しておきながら高い水準を維持している本楽曲の順位ポイントの合計は7,486ポイントと歴代最高得点をマークしています。
こちらは全80週のチャートを横に並べたチャート分布図です。
縦軸が順位で横軸が週です。右に行くほど最近のチャートになります。
緑の四角が「打上花火」の位置です。ご覧のとおり上位をキープしている様がわかると思います。
エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」
2つ目はエド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」です。
本楽曲は3つのギネス世界記録を獲得するほどの大ヒットを記録しており、日本のHot100でも2017/1/23付で22位、同年9/25付で最高位5位を獲得しています。
ストリーミングチャート開始週では2位となり、以降「打上花火」と付かず離れずのチャート成績を取り続けて、80週全てのチャートに登場しています。
しかし、「打上花火」は14度首位獲得していますが、「シェイプ・オブ・ユー」はたった1度となっています。運悪く「打上花火」とヒット時期が被ってしまったために首位を獲得する機会を逃してしまったということです。
しかし、シェイプ・オブ・ユーの最低位は21位と、「打上花火」以上の高水準で推移しているため、順位ポイントの合計は7,423ポイントと歴代1位の「打上花火」のその差たったの63ポイントという波乱の展開となっています。
そして最新の2019/4/15付チャートでは「シェイプ・オブ・ユー」が14位、「打上花火」が25位となっているため、このまま「打上花火」が「シェイプ・オブ・ユー」に逆転しないと順位ポイント合計で逆転されます。
上は青色が「打上花火」、黄色が「シェイプ・オブ・ユー」のそれぞれの分布図です。
この両者のライバル関係は今後も続いていきそうです。
ONE OK ROCK「Wherever you are」
3曲目はONE OK ROCKのバラードナンバー「Wherever you are」です。
本楽曲は2010年6月9日にリリースされた『Nicheシンドローム』に収録されているアルバム曲でありながら高い人気を誇り、ストリーミングチャートでは全80週登場しており、8位-43位の間を上下するという安定感ある推移を保っています。
上中位を推移している本楽曲の順位ポイント合計は6,560ポイントと高い成績となっています。
欅坂46「サイレントマジョリティー」
5曲目は2016年4月6日にリリースされた欅坂46のデビューシングル「サイレントマジョリティー」です。
リリースから1年半以上経過しているにも関わらず、ストリーミングチャート開始週である2017/10/9付チャートから12位を獲得しています。
その後は緩やかにチャートを降下させて最低位95位となり、2019/4/15の最新チャートでは77位と若干の上昇という結果になっていますが、しっかりと80回全てチャートインしております。
順位ポイント合計は4,869ポイントです。
[Alexandros]「ワタリドリ」
最後の楽曲は[Alexandros]の「ワタリドリ」です。
リリースは2015年3月18日ですが、こちらも80回全てチャートインを果たしております。
しかし、登場順位は13位-79位と「My Boo」や「サイレントマジョリティー」ほどではありませんが全80回チャートインをしており、順位ポイント合計は4,337ポイントとまずまずな結果となっています。
チャート登場70週台の楽曲
惜しくも80回を逃してしまい70回台を維持している楽曲を紹介します。
MONGOL800 「小さな恋のうた」 79週
チャート開始週である2017/10/9付チャートでは100位というギリギリのチャートインでスタートしたものの、同年12/4付チャートで残念ながら圏外落ちしてしまいました。(青枠)
しかし何がおきたのか次週の12/11付チャートで43位に急上昇を果たした後(赤枠)は最高位10位から78位の間を推移するというかなりトリッキーな動きをしています。
12/4付チャートで圏外に落ちたことを嘆いたファンの再生活動があったのではないかというほどの返り咲きですが、比較的新しい楽曲がチャートインしやすいストリーミングチャートで2001年リリース楽曲が登場し続けるというのは本当にすごいことです。
順位ポイント合計は4,189ポイントと全週登場楽曲に引けを取らない好成績となっています。
最新の2019/4/15付チャートでは42位と19週ぶりの40位以内をマークしているため、今後のチャート登場も見込めそうです。
スキマスイッチ「奏」78週
「奏」は当初19位-56位の間を安定して推移していたのですが、2018/12/10付チャートで突然65位まで降下(赤枠)してからは下位を低空飛行し続け、2019/2/25付チャートで最低位99位を獲得してからその後2週間チャート圏外に落ちてしまいました。
同年3/18付チャートでは89位に返り咲きを果たし、最新の4/15付チャートでは75位まで持ち直しましたが、現在も低空飛行が続いているため、いつまでチャートキープできるか今後に注目です。
しかし、チャート安定期では高い順位を維持していたため順位ポイント合計は4,540ポイントと全週登場している「ワタリドリ」を超える結果となっています。
西野カナ「トリセツ」77週
本楽曲は2015年にリリースされた楽曲で、西野カナの晩年の代表曲ですが、チャート開始週である2017/10/9付チャートでは34位というまずまずの成績で初登場を果たし、29位-79位と「奏」ほどではないですが安定してチャートに居続けていました。
しかし、2019/2/25付チャートで突然86位まで急降下(赤枠)し、92位を経て同年3/11付チャートでとうとう圏外落ち(青枠)となってしまいました。
3週の圏外落ちを経て4/1付チャートで90位に返り咲きましたが、4/8,4/15付チャートの2週はどちらも100位というまさに首の皮一枚繋がった状態(ピンク枠)でストリーミングチャートにしがみ付いています。
次週以降のチャートキープは至難の技と言わざるを得ませんが、いずれにせよ「トリセツ」の今後の動向には注目したいですね。
順位ポイントの合計は3,417ポイントです。
Mrs.GREEN APPLE 「WanteD! WanteD!」 76週
同曲はチャート開始週である2017/10/9付チャートで初登場3位を獲得し、その後は降下して、Mrs.GEEN APPLEのリリースがあるたびに急上昇するという波を描くようなチャート推移を見せていました。
しかし2018/12/3付チャートで69位から突然圏外へ落ち(赤枠)、返り咲いたと思いきや2019年に入り、2/25,3/11,3/18の3度にわたりチャート圏外へ落ちてしまい(青枠)、合計4回圏外へ落ちてしまいました。
現在は「ロマンチシズム」のリリースの影響で67位まで順位を持ち直しています。
順位ポイント合計は3,802ポイントで、1回分負けているトリセツより高い結果になっています。
AAA「恋音と雨空」73週
AAAの中でも特に人気の高い楽曲であり、2017/10/9付チャートでは19位という高順位でスタートし、14位-74位というかなり幅のある動きをしていました。
2019/1/21付チャートで84位という結果となり、その後81位→94位→90位→82位→100位と低空飛行の末、2019/3/4付チャートでとうとうチャート圏外となり、4/15付チャート現在まで7週連続で顔を見ていません。
順位ポイント合計は3,618ポイントです。
ゼット & アレッシア・カーラ 「ステイ」70週
2人目の海外勢で2017/10/9付チャートでは13位という高順位でスタートしてしばらくは安定していました。
しかし突然チャート急降下し同年12/18付チャートで圏外に落ちたと思えば再び持ち直して2018/3/26付チャートでは91位→26位という絶壁のようなジャンプアップを果たしています。
その後は緩やかにチャート降下していき、2019/2/25付チャートでは67位→圏外というまたもや突然消えて、現在まで返り咲きは果たせていません。
順位ポイント合計は3,504ポイントです。
まとめ
80-70回までの記録と、60回台の記録を表にしてまとめてみました。
70回までがチャート開始週である2017/10/9付チャートで初登場している楽曲で、60回台から途中の週で初登場していることがわかりました。.
70回台楽曲を苦しめた2019年2月のチャート
振り返ってみると、70回台を記録している楽曲は決まって2019年2月前後のチャートで圏外になっていることがわかります。
実は2月中旬にストリーミングで高い人気を誇るあいみょんとONE OK ROCKの両者が同じ日にアルバムをリリースしたことによって両者の楽曲が軒並みチャートインを果たし、チャートを圧迫したことが他楽曲の圏外落ちに繋がっています。
黄色があいみょんの楽曲で青色がONE OK ROCKの楽曲です。赤枠は2019/2/25と同年3/4付チャートの2週分が囲ってあります。
見ればわかると思いますが、すごい占有率です。
あいみょんは2/18→2/25で8→17で9曲増加しており、ONE OK ROCKは6→16で10曲増加しており、両者の増加数は19曲で合計33曲がチャートインしています。
ちなみに同じ週にクイーンとback numberがそれぞれ7曲ずつチャートインしているため、アーティスト4者でチャートの約半分を占めるという事態が発生していました。
そりゃあ他の曲は圏外に落ちますわ(笑)